不動産業界の『女性』営業とは

2022年05月31日

本日配信、宅建Dr.マル秘レポート6月号は「働く女性の憧れ?“不動産業界”」に迫っています。

 

関連した今回のコラムは、いつもと違った「働く人目線」になります。

 

「家売るオンナ」の三軒家万智チーフ、「正直不動産」の月下咲良さん、ドラマで大活躍する姿はまさに働くオンナの理想像★かっこいいですよね。

ですが・・・不動産売買で活躍する女性営業って、実在するのでしょうか。

 

 

不動産の特に「売買」は男性社会じゃないの?

モデルルームなんかで受付の女の子は見るけどね。

何億もする収益物件・責任の重い任意売却・・・女にはできないだろ。

そんな偏見の言葉を聞きながら、不動産売買に携わり続け、なんだかんだと9年目(産休育休いただいたので実働は8年弱)を迎えました、R産託コンサルタンツの木下です。

 

定年があってないようなこの業界では、まだまだ若輩者ですが、「不動産営業」に憧れる方のため、女性がこの仕事に就くことのリアルをご紹介します。

女性だからした苦労

正直「お嬢ちゃんに何ができるの?」入社当初はオーナー様から、業者仲間から、鼻で笑われました。

特に業界仲間、人脈のために参加した交流会なのに「コンパニオン代わりとでも思ってんのか?このオヤジ」と内心イライラしたことも。笑

 

私が不動産売買営業の職を選択した9年前は、今よりも不動産業界に女性が少なかったので悪目立ちしたのは否めません。

 

バブルを生き抜いた海千山千の猛者の方々と比べれば、未熟で、パワーもない。自分でも「異質な存在」だったと思います。

女性でよかったこと

とはいえ、女性でよかったと思うことの方が多いです。

良い意味でも目立つ

まだまだ不動産売買の分野では女性がマイノリティです。

目立つことは良い方向にも働き、お客様にしっかり記憶いただけることが多いです。

 

例えば、数年前にご相談いただき、そのときは相談だけでお取引に至らなかったお客様が、改めて依頼を思いたったときに「木下さんってまだいらっしゃる?」とご連絡いただきます。

女性で、小さいお子さんもいて、それで頑張ってお仕事してる方だったから、あなたのことはとても印象に残ってるの。そう言ってもらえることは、とてもありがたいことです。

 

中には、ご提案後すぐに「こんなに詳しい女性営業は初めてだ!君に任せよう」とおっしゃる方もいます。

“女性”としては初というところに、ちょっとずるいかな?と思うこともありますが、(男性で凄い人はたくさん知っていますし)それでも性差のおかげで高い評価を頂けるのはラッキーです。

オーナー様が喜んでくれる

・純粋に不動産取引に不慣れなので、人当たりが柔らかいことが受けるケース。

 

・過去にモラルの低い不動産取引をされ警戒心が強い方に、押し付けない対応が受けるケース。

 

・お会いするのも難しいVIPオーナー様より、女性とは珍しいとの好奇心で、チャンスを頂けるケース。

 

人によりきっかけは様々ですが、アポ取りにおいて女性であることは武器です。

そして色々なオーナー様にお会いしましたが、共通して、アドバイスよりもまずは話を聞いてほしいと思っていらっしゃいます。

 

私のお客様は、やり手の営業マンから知識と経験を語られても響かなかったとの方が多いです。中には、今まで来た営業マンは、威圧感とか決めつけが強くてなんだかね、という方もいます。それよりも、オーナー様と物件の歴史、思い入れ、今後の不安、多くのことを話しながら、自分のやるべきことが整理できて、結果、お取引に至る方が多いです。

 

不動産という高額資産をお持ちの方々ですので、当然、それなりの経験と持論をもっていらっしゃるのに、中途半端なアドバイスは不要です。

多くのオーナー様は、ご自分の進むべき道は自分で決められますので、私の行うことは問題を列挙し、優先順位を整理することくらいです。

もちろん、専門家として、オーナー様が欲している情報提供は行いますが、あくまで押し付けない。それが心地よいと感じてくださる方が私のお客様になります。

 

人も不動産も十人十色なのですから、毛色の違う営業がいることで喜んでくれる方がいます。

 

会話から取引にもっていくのというのは『コミュニケーション』や『共感』という女性の得意分野を活かした手法です。

 

また、オーナー様ファーストの前に出すぎない営業スタイルは、昔でいうところの「三歩下がって男を立てろ」に通ずるものがあると思います。自分を抑え、相手を立てるのも女性の得意分野かと思います。

※なお、家庭での私は残念ながらまったくもって慎ましい妻ではなく、ちょっと時代錯誤な表現かもしれません。

特別な存在になれる?

これは近年、宅建取引士として5年。「宅建マイスター」の資格を得たからこそ、より鮮明に見えてきた世界なのですが・・・

 

残念なことに、不動産会社は、担当の取引士は、万能とは限りません。

この専門性が高く、特定物(同じものがひとつとしてない)である不動産の取引においては、少しの気の緩みが大失態に繋がります。

(公財)不動産流通推進センターにおいて、年間7000件ある不動産相談の47%以上が調査・説明に関する内容であるとの発表もあります。

 

越境物を見落とした、災害リスクを見落とした、既存不適格建築物である(法令の問題がある)ことを見落とした、大なり小なり不動産に関するすべてを網羅するのはとても難しいです。

 

だからこそ、知識・経験は常に磨かなくてはいけないし、驕ることは許されませんので、弊社では従業員教育として「不動産キャリアパーソン」「宅建取引士」「宅建マイスター」「公認不動産コンサルティングマスター」など、不動産に関する資格取得を全面的にバックアップしています。

 

私も順番に資格を取得しまして、晴れて今春、宅建取引士の上位資格である「宅建マイスター」に合格し全国に700名程度の上級宅建士の仲間入りを果たしました。

 

宅建マイスターは、(公財)不動産流通推進センターが2014年に「宅地建物取引のエキスパート」の認定制度として創設し、2017年には、業法改正に伴い更なる充実が求められる従業者教育制度の頂点となる資格として「宅建マイスター」試験制度に移行したものです。

前述不動産相談の内容からも担当宅建士が調査難易度の高いリスクに気付けるかどうかが、トラブル回避の一番の決め手になることを示しており、宅建取引のエキスパートの社会的使命の重要性は明らかです。

 

女性(マイノリティ)×宅建マイスター(希少なエキスパート)

 

かけ合わせたときに、その存在は日本に数えるほどしかいないはずです。

数えられるところでは、福岡県内の『女性宅建マイスター』は2名とのこと(2022年5月31日現在)で、その価値に恥じぬ仕事をせねばと、責任を覚えます。

 

次は「公認不動産コンサルティングマスター」を目指しており、私もまだ道半ばですので、あまり偉そうなことは言えませんが・・・

 

今と昔の雇用情勢は大きく変化しています。AIに奪われる仕事もあるでしょう。

 

替えの利かない『手に職』がますます重要になる未来に、活躍できる自分になるために、同性のライバルの少ない不動産業界はブルーオーシャンなのかもしれません。