売却に問題のある不動産

2022年04月28日

本日、「宅建Dr. マル秘レポート 2022年5月号」を配信♪

 

「問題」だらけの不動産、売ることが難しい不動産があるって本当?

お客様から寄せられた疑問にお応えします!

 

違反建築物

違反建築物とは、用途・規模・手続・・・なにかしらの建築違反のある建築物です。

閑静な住宅街にある工場(用途違反)、戸建てエリアに大型マンション(建蔽率・容積率オーバー)、確認申請や検査の未実施(手続き違反)など、問題なく使用できているけれど、実は違反建築物ということがあります。

違反建築物は融資を受けづらく、つまり価格もつきにくいことが多いです。

 

なお、新築時は適法で、法改正により違反状態となってしまった「既存不適格建築物」についても違反建築物ほどではありませんが、売るときに不利益が生じやすいです。

不整形地

不整形地というのは、土地の形が三角形やL字型、台形など、四角形ではない土地のことを言います。こうした土地は長方形や四角形に整えられた整形地に比べると、建物の敷地として利用しづらいため買い手が見つかりにくく、また同じ面積でも相場より価格が低くなります。

がけ地や急傾斜地

建物の建築が不可能な傾斜地のことです。法地(のりち)や法面(のりめん)などと言われる場合もあります。急傾斜地は住宅を建てることができない上、利用する場合にも造成や擁壁工事の費用がかかってしまうので買い手が見つかりにくく、価格も一般的な相場に比べて低くなります。

前面道路の幅が狭い

建築基準法では「建物の敷地は幅員4m以上の道路に接していること」が求められていて、これを満たしていない場合、その道路の中心から2mの線まで敷地を後退させる(セットバック)ことになっています。実際に活用できる敷地面積が減ってしまうことや、車の出し入れがしづらいなどのデメリットがあるため、買い手がつきにくい傾向があります。価格も相場より低くなります。

 

また、接道については他に「建築基準法上の道路に2m以上接していないといけない」という義務も定められています。これを満たしていない場合は「再建築不可」となり、建物を取り壊して新たに建てることができないため極端に需要が少なく、売却の難易度は高くなります。価格も一般的な相場より大幅に低くなる可能性があります。

極端に広いまたは狭い土地

極端に面積が広いと価格も高くなる上、住宅は建てづらいため用途が限定されてしまいます。また狭い土地の場合は住宅を建てる場合も工夫が必要であったり、場合によっては使用制限が課せされてしまう可能性もあるため、買い手が見つかりにくい傾向があります。

市街化調整区域内の土地

市街化調整区域とは市街化を抑制する区域のことです。規制により建築物の建築が制限されているため、基本的に市街化調整区域内の土地には建物を建てることができません。需要が極端に低いため、価格も低くなり、一般的に売却が難しい不動産だと言えます。

周辺環境に問題がある土地

線路に面している、隣に墓地がある、ゴミ焼却場が近い、高圧線が通っている、教育上よくない施設があるといった周辺環境の問題から、なかなか売れない場合もあります。

売却が難しい可能性のある不動産まとめ

一般的に売却するのが難しいといわれている不動産の特徴をご紹介しました。こうした不動産はいざ売却となっても、なかなか売れないことが多いので、相続した、またはこれから相続される不動産がこれらの特徴に該当する場合、出来るだけ早く(相続が開始する前も含め)、不動産会社に物件の調査や査定依頼をすることをおすすめします。

 

状況によっては工夫することで問題が解消できる場合もありますし、相場を踏まえた価格設定にすることで買い手が見つかる場合もあります。土地には家を建てて住む以外の使途もたくさんありますから、ご自分で「売れない」と決めつけず、まずはとにかく前向きに売却することを検討してください。