アパマン爆発、なぜ起きた!?

2021年12月15日

本日にて、北海道札幌市豊平区の不動産仲介(賃貸)会社が発生させたガス爆発事故から丸3年が経ちます。

近隣マンションの12世帯33人が住宅被害に遭ったり、精神的苦痛を受けたりしたなどとして、店の運営会社に計約5500万円の損害賠償を求めた札幌地裁の訴訟については、和解が成立したことが2021/10/27に分かりましたが、問題の本質は解決したのか・・・なんとも後味の悪い事件でした。

この事件について、改めて確認しますと・・・

 2018年12月16日20時29分頃、札幌市豊平区平岸の「アパマンショップ平岸駅前店」(運営はAPAMAN子会社の「アパマンショップリーシング北海道」)等が入居する木造2階建ての雑居ビルで爆発が発生。同店および隣接する居酒屋が倒壊・炎上し、52人が負傷。火災は翌17日2時10分に鎮火した。

事故原因について、北海道警察などの捜査によると、この日、アパマンショップ平岸駅前店内では、従業員がジメチルエーテル (DME) エタノールを含んだ未使用の除菌消臭スプレー120本を廃棄するため、噴射して空にするという処理を行っていた。このとき、店舗のドアや窓は締め切られたままで換気されていなかった。その後、湯沸かし器を点けた際に、店舗内に充満したガスに引火し、爆発が起きた。爆発の衝撃で同店などのプロパンガスボンベの配管が外れ、可燃性のガスが流出したことも火災が広がった原因とみられる。

  

とのことで、そもそもなぜ大量の除菌消臭スプレーがあるの!?

 

その理由をずばり、当てます。

それは不動産仲介(賃貸)会社の不当利得と業務怠慢です。

 

賃貸にてお部屋をかりるとき某A社では「消臭・抗菌代」として1~2万円を請求しています。この消臭・抗菌の正体が、事故原因の除菌消臭スプレーなのでは?と事故当時インターネットでも話題になっていました。

 

不適切な方法による在庫処分が事故の原因か!と思ったあなた、まだ甘いです。

 

処理されていたスプレー、在庫もあるでしょうが、大部分は、本来、お部屋に散布すべき残り(=使いかけのスプレー)でしょう。

つまり、こういうことです。

 

①    お部屋を借りる入居者より、消臭・抗菌代を頂戴 ←1~2万円の利益

 

②    鍵渡し前に噂の除菌消臭スプレーを散布 ←経費は数百円じゃん!?

  1戸で使い切るべきところ、指で押しながら散布し続けるのは大変ということで、

  シュ~の一振りで消臭・抗菌は終わり♪ ←ちゃんと仕事しろ!!

 

③    ご存じの通り、スプレーは使い切らないと捨てれないので、とりあえず店舗に隠す

 

④    気づけば、使いかけスプレーが大量・・・いつかまとめて処分しよ・・・

 

このいつかまとめて処分しようとした、使いかけ高級スプレーを密閉された店舗内で噴射した結果のガス充満。そして給湯器が引き金となり着火。こちらが事件の正体でしょう。

 

事故発生当初、運営会社はスプレー缶の在庫は160本としていましたが、道警の捜査では店内から240本以上のスプレー缶を押収しています。また同店店長によると、事故当日の昼頃に屋外でスプレー缶の廃棄処理を行ったが、通行人に目撃されたためすぐに店内に戻ったという。。。

 

見られて困る理由があるから、店内に隠れたのでしょうね~

帳簿に記載ない80本以上は、使いかけのスプレーだったのでしょうね~

 

残念なことに、不動産仲介(賃貸)会社ではよくある話です。不動産仲介(賃貸)会社は、皆様の想像以上にいいかげんなのです。

 

2021年4月21日に国土交通省令にて「賃貸不動産経営管理士」という国家資格がはじまり、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律における管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者に管理事務所毎への1名以上の設置が義務付けられるなど、不動産仲介(賃貸)会社へ求められる専門性は高まっております。

 

当爆発事故は資格うんぬんというより、モラルやコンプライアンスの問題ではあるのですが。。。どのような資格を持っているかは、まじめな不動産会社かを見分ける指標のひとつにしてください。

なお、R産託コンサルタンツには、「賃貸不動産経営管理士」はもちろん、「全社員が宅地建物取引士」の有資格者で、宅建士の上位資格である「宅建マイスター」「公認不動産コンサルティングマスター」も在籍しております。

さらに代表白木は、福岡県で唯一の「宅建マイスター・フェロー」認定者(2021/12/16現在)ですから、他のどの不動産会社の担当者よりもコンプライアンス順守もお約束します!!

 

 

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