横浜市の「傾斜マンション」のその後・・・

2021年03月31日

本日発行「宅建Dr.のマル秘レポート 2021年4月号」より

「2015年に発覚した横浜市の傾斜マンション問題」をピックアップ★

 

皆様の記憶にも新しい、2015年に横浜市のパークシティLaLa横浜4棟のうち1棟で傾きが見つかった問題。

傾きの原因調査の結果、建物を支える70本の杭のデータで改ざんされていたことが発覚しました。

 

その後、販売元と住民らの協議のうえ、傾きが見つかっていない建物も含めて全棟の建て替えが行われていました。

2021年2月ようやく建て替えが完了し、仮住まいを強いられていた約450所帯の住民らの再入居が始まったようです。

傾斜マンションイメージ
発覚から6年で全棟建て替え完了、これは異例のスピード解決!

残念なことにマンションの施工不良問題は、大なり小なりよくある話です。

 

しかしながら、いざ問題が発覚してもマンション建築には多くの登場人物がいますので誰の責任が1番重いのか?

責任の押し付け合いで時間だけがかかり10年以上も争うケースもございます。

 

では、なぜパークシティLaLa横浜は6年で全棟の建て替えが叶ったのか。

 

ずばり「1階の所有者が横浜市」であった要因は大きいです。お役所の力は絶大ですね。

 

して、あまりに早い《三井不動産》の対応を見落としてはいけません。

慰謝料一括300万円は破格の好待遇!?

当問題にて、販売元(売主)である三井不動産レジデンシャルと施工会社(元受)三井住友建設は、建て替え期間の仮住まいの家賃に、引越費用に、慰謝料300万円に、と真摯に住民に補償し、さすが業界最大手は違う!と賞賛する声もあがっております。

 

しかし、あまりに早い全棟建て替えの決定、調査中の段階にもかかわらず「これまでの市場の最高値での買取提案」、ここまで来ると、探られたくない腹があるのか?という疑惑を提唱するものもいます。

 

また、この破格の好待遇に「こんな手厚い前例を作られたら困る」という意見もチラホラ。

問題を防止すればいい話なのに、なぜ起こった後のことで文句が出るのでしょう。。。

真の原因追及はされたのか・・・業界の闇に迫る。

そもそもこの問題、傾きの原因となった「杭打ち」は誰の責任だったのか。

 

ニュースでは下請け会社の担当者によるデータ改ざんがあったとの報道が多かったのですが、彼が個人で責任をとったという続報は聞こえてきません。

 

おかしくありませんか?

本当に改ざんという不法行為があったなら刑事告訴されるはずですよね。

 

事実を追求したところ、実は施工会社(元受)三井住友建設の設計図の時点で杭の長さが足りてなかったこと、その短い杭で施工会社(元受)が発注したことがわかっています。

 

その立場に該当する人物についてはまったく報道されていませんが、法律的に考えても、設計者・監理者の責任が最も重いものと判断されます。

子どもの責任は親がとるという構図を思い浮かべれば当然のことです。

 

にもかかわらず、親である大手は社会的バッシングを浴びていない。

 

そして、建て替え費用や住民への補償などの原資となる賠償請求の裁判は「親が子どもを訴え、子が孫を訴える構図」で泥沼化しているとのこと。

 

立場が下の者が割を食う。

この闇を正さなければ、次なる傾斜マンションが生まれるのでは・・・と恐ろしくなります。

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